イライラしたときに〇〇する

違うタイプの人間も、意外と日々感じることは似ていたりする。新米OL(ただしそこまでキラキラしてない)が、イライラしてもしなくても、ライターになりたくて、あふれる野心を抑えながらつらつら書きます。

知っているようで知らないあの人とのこと

知っているようで、実はあまり知らないこと。

全く知らないことならまだいいのだが、こいつはタチが悪いと最近つくづく思う。

 

例えば、入社ほやほやの時の、複数複数の名刺交換。誰からもらうのか、誰から誰へ紹介するのか...とあわあわする。けれど、これは答えがあるからまあいい。勉強になりました失礼しました次からしません、で、まあなんとかなる。

例えば、サークルの3、4個上の、名前はよく知っていても、あまり遊んだことのない先輩。そんな先輩と部室で2人になってしまったとき。迂闊に他の部員の話もできない。誰と付き合っていたか、誰と仲が悪いか、そういえば知らないのだ。地雷は踏みたくない。でもつまらないやつだと思われたくもないし、でも、でも...(と思ってるうちにいっそのこと「お前今彼氏いるの?」「いまっせーん!」「あっはっは!」みたいに話かけてくれないかな...)この間、沈黙。
 

後者の例は、似たような経験があるでしょう。

ちょっと出だしから脱線した感じはあるけれど、要するに、今回は知ってそうでほぼ知らない人との関係についてのお話。

最近そのいい例を見つけました、これです。

 

【そこまで仲良くない同性(特に女子同士)の会社の同期】。

 

さてここで前提を。私の勤める会社は、従業員が1,000人くらいの、世間様から見ればまあまあの会社である。職種は総合職と地域特定職の2つに分かれており、総合職は9割以上が男性、地域特定職は全員女性である。まあ、総合職と一般職と考えてもらったほうがわかりやすいだろう。 このシステムの見所のひとつは、お昼休みにやってくる。12時のチャイムが鳴ると、お財布を持った社内履のままの地域特定職達がどこかでランチをテイクアウトし、空いている会議室やら、執務室横のちょっとしたスペースやらに集まって、昼休みの小一時間をめいっぱい、おしゃべりに費やす。特に見ごたえがある場所が、「ランチスペース」だ。いくつものグループがそこでおしゃべりに華を咲かせており、よく言えば、夕方に森からばっと出てきた鳥の山のように騒がしい。

一方総合職は、昼休みの時間の中頃になってから連れ立って出かけるか、デスク飯。業務時間中に大きな声で電話をしている総合職の声は、昼休みには聞こえなくなる。

 

さて、私もランチスペースの常連である。

だいたい一緒に食べる人は同じ部に配属になっている同期なのだが、ランチスペースへ行けば、よく他の同期の女の子にも鉢合わせる。こうなると、まあ同期だしってことで、一緒に食べる雰囲気になる。

 

うーん、困った。 話題に困るのである。大体は、週末(彼氏に)どこに連れてってもらった、合コンしたらこうだった、髪型変えたね、新しいネイルがかわいいね、とか、そんな類だからだ。そういう話題は週末の変化を受けて生じるものなので、週明け限定だ。

週も半ばになると、大体は仕事の話か、昨日のドラマの話か、平日の飲み会の話になる。同期だから、さっき例に挙げたサークルの先輩みたいに、「先輩だから」と気を使う必要もないのに、もぞもぞと話題を探してしまう。そもそもその行為が煩わしいのだけれど、最近さー、と誰かが切り出す。

大体は「仕事中、次の旅行のことばっかり考えちゃう」とか当たり障りないことを言って、旅行の話になったりするのだが、こうならない場合がある。

 

わたし「選ばれちゃった」自慢が始まったときである。

 

「新しい仕事任されちゃった~最近ひまそうにしてたからかな~」

「君のお酌は断れないな~ってまた言われちゃったー。あああ飲み会面倒くさいけど、次もきっと呼ばれちゃうな~」

「今度うちの部新人来るんだけど、私教育係になるかも~適任が他にいないらしくて」

「偉い人の秘書の補佐やるみたいで」

 

むむむ。

 

残念ながら同期の何人かは忙しい部署へ配属されており、月末の締めの時は髪を振り乱して働いている。終電ぎりぎりという同期もいる。かたや、「暇だわ~午後なにしよ~」「今日も定時退社だわ~ジムいくか~」みたいな同期もいる。同じ職種でもこれくらい差がある。それは仕方のないことなので、頑張ろうね、いやお前は働けあっはっはで終わる。ただ、
 

「今度うちの部新人来るんだけど、私教育係になるかも~適任が他にいないらしくて」

「偉い人の秘書の補佐やるみたいで」

 

ついこの間まで?暇だわ~とぶっこいていたくせに?私選ばれちゃいました?さも信頼されているかのように??

 

ふう。

波だった心を落ち着けようと、私は昼休みが終わった後、イライラした原因を考えてみた。仕事しながら。いや、仕事中行ったトイレの中とかで。

 

・もともと、自分に自信がある子かも知れない。もしかして海外育ち?自己主張かな。

・いやでも、私が環境的にも仕事量的にもしんどい思いをしていた数ヶ月前に、「忙しい~嫌だ~」って喚いたから、お前だけが忙しいんじゃないんだぞ、むしろもっとちゃんとやってるんだぞ、っていうあてつけかも知れない。

・もしかしたら、その子の「暇だわ~」は「えーっと」みたいなもので、ただの口癖かも知れない。

・もしかしたら1年死ぬほど努力して、周囲の信頼を勝ち得たかも知れない。 ・そもそも、私は自分が忙しい、人事からも1年目らしからぬ働きですね、と褒められている(話の都合上、ということにしておいて)のに、その子の方が先のステップに行ってるように見えることを、嫉妬しているんじゃないか?

・いやそもそも彼女は暇そうだから新しい仕事を割り振られたんじゃないか?

 

そう、Perhaps の連続なのだ。

つまり私はその子のことも、自分の仕事が実際その程度評価されているのかも、というよりもはや自分がどこまで出来て、そしてどうなりたいのかも、実はよく知らない。

知らないから、言葉の裏を読んでみたり、勘ぐってみたり、複雑に考えてみたりする。そうしてどつぼにはまって、ひとりでイラついて、小さなことなのに...とイラついた自分を責めてしまうことだって、たまにある。

ならば、実はあまりよく知らない人の言葉は、文字通りに受け取って、あとはさっぱり忘れてしまう方が、都合がいい。

なんだかもやっとさせられる言葉には、言葉を発した人の人間性がつきまとう気がする。でも、その人間性は、受け取った側が勝手に作り出したもやもやではないか?よく知らないなら、よく考えない。考えてもあまりいいことはありません。ただの妄想です。

そうすれば先輩のお小言も、「できてなかったんだな、気をつけよう」という素直な気持ちで受け止められるし、よく知る家族や友人や恋人の言葉には、そのまま繊細でいればいい。

 

そうやって人の話を聞ければ、もう少し楽~に生きられるんですけど、ね。

 

読んじゃうよねえ、言葉の裏。難しいよねえ、微妙な距離感。